神聖ローマ帝国

962年の昨日、神聖ローマ帝国が成立した日でした。

神聖ローマ帝国とは、中世初期以降に、ローマ帝国を継承するものとして、ドイツ地域を領域とした帝国です。
現在のドイツ、オーストリア、チェコ、イタリア北部あたりですね。
ラテン語でSacrum Romanum Imperiumなどといいますが、名称は確定しておらず、実質的には962年にローマで教皇から帝冠を受けたザクセン朝ドイツ国王オットー１世に始まります。
以後、ドイツ王は即位後、公式にローマでの戴冠(たいかん)を受けることで、神聖ローマ皇帝を兼ねて、俗界の最高支配者を自任しました。
11世紀ザリエル朝時代に最盛していました。

しかし、当初成功した皇帝の教会支配体制も叙任権闘争でくずれ、イタリア政策の偏重は、本国内での封建諸侯への譲歩と領邦国家の分立を招来しました。
皇帝選挙権は、13世紀末以降、７人の選帝侯が独占して国政を左右し、これに対し皇帝側も家門勢力の拡大強化に専念しました。
帝位は、1438年以来ハプスブルク家に定着しました。
16世紀初頭のカール５世以後は、教皇による戴冠も行われず、帝国の実体はドイツ王国に矮小(わいしょう)化しました。
他方で領邦国家は、ウェストファリア条約で国家主権を獲得しました。
1806年にライン同盟が帝国を脱退したため、皇帝フランツ２世は帝冠を辞して、帝国は完全に崩壊したのでした。