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1657年の昨日、水戸藩第2代藩主の徳川光圀が、《大日本史》の編纂を始めた日でした。

水戸黄門
1906年に完成したこの大日本史、本紀・列伝・志・表4部、計397巻226冊からなり、神武天皇から後小松天皇までの歴史を紀伝体で記載しています。
朱子学の名分論の立場にたち、大友皇子(弘文天皇)の即位を認め、南朝を正統とするなどして尊王論の伸張に寄与し、水戸学を生びました。
史料収集、史籍校訂、考証にもすぐれたものです。

光圀が〈名君〉として世間に広く定着したのは、江戸末から明治期で、講談・実録本の流布、演劇化などにより虚構が拡大されました。
逸話を多く含む、伝記《桃源遺事》や《久夢日記》などが実録本《水戸黄門仁徳録》(成立年未詳)に影響を与え、のちの各種の黄門諸国漫遊譚(まんゆうたん)につながりました。
光圀自身の蝦夷渡航、また《大日本史》編纂のため、安積澹泊(あさかたんぱく)(通称覚兵衛で、講釈では渥美格之丞、格さん)、佐々十竹(さっさじっちく)(通称介三郎で、講釈では佐々木助三郎、助さん)が全国に史書を探求旅行した史実が核となって、漫遊譚の虚構はふくれあがったといわれています。
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